行動で愛を証明しよう

出版倫理と性表現について女性読者の立場から考えています。性暴力・DV反対!もっと日本が結婚・子育てしやすい国になりますように。

森岡正博氏の恋愛工学批判論文に見られる父性欠如について

さて、サーバーから削除された森岡正博さんの幻の恋愛工学批判論文について、私の考えをまとめておきます。 問題の論文はこちらをご覧ください。
http://archive.is/B3s9x

私は、この論文には父性が欠如しているということを指摘したいと思います。
私は「男性にとって父性というのは大変高貴な美徳である」と思っています。
ドラクエに例えれば「魔法使いや僧侶が賢者に転職する」ようなものです。
では父性とは何か? いくつか要素を挙げられますが、私は責任感だと思う。

 

論文執筆を依頼した経緯

そもそも私が1月に「恋愛工学を批判してください」と森岡さんに依頼したのは「男として好きな女にどう向き合うべきか、男同士で議論して、結論を出してください」という趣旨でお願いしました。そんなことは女の私が口を出すようなことではないし、その必要もないだろうと思ったのです。

である藤沢恋愛工学と、のはずの森岡生命学との間で、決着をつけてほしかった。

DV的な男女関係と騎士道精神とでいったいどちらがカッコいいのかなんて、そんなことは男の間で決めてほしいわけです。

 

「森岡×藤沢」という対決カードは「ゴジラ×ガメラ」みたいなものです。森岡さんも藤沢さんも日本を代表する哲学系イケメンであり、女ならみな、できるなら避けて通りたい日本屈指のダメンズです。

怪獣同士で殺し合ってくれれば、自衛隊は出動する必要がありません。省エネです。

彼らに恋愛工学論争を任せ、私はさっさと温泉にでも行って気分転換したいと思っていました。就活・婚活をし、今からでも家庭的な男性(イケメン)と幸せになりたいと思っていました。

 

しかし善のはずの森岡さんから「家庭・家族」という言葉が出てこなかった。私は「あれ?」と思いました。もう還暦近いにも関わらず「長続きする恋愛」という言葉しか出てこない。恋愛工学を読んでいるのは大学生~30歳前後の男性が多いので、森岡さんは若者向けに書いたのかもしれませんが、私は「浅い」と思いました。

 

還暦近い大人の男性であれば、パートナー(妻)との安定的な関係は当然で、次のステップである「子に対してどう無償の愛を注ぐのか」というのがテーマになってくるはずです。

亭主が女道楽をしていたら、奥さんは出ていってしまいます。子どもは非行に走ります。「なぜ男が女道楽してはならんのか?」という問いに対する答えとしては「家族」という言葉が必ず出てくるはずです。

 

なぜ森岡さんは58歳にして「家庭」という言葉を書けなかったのでしょうか? 加藤尚武先生のような正統派の倫理学者であれば「家庭」と書けたはずです。

ここで読者の皆様にはちょっと考えて頂きたいのですが、そもそも、私生活で女性との関係に相当問題がないと『草食系男子の恋愛学』などという本は書かないわけです。ご離婚した後に書かれたようですが、一度離婚を経験した男が、女性との交際方法について本を書く。これは相当の事情があると思わなければならない。

 

私の関心は「なぜ58歳にして、森岡さんは健全な父性愛を獲得できなかったのか。この20年間、彼は一体何をしていたのか? なぜ森岡さんは馬齢を重ねるに至ったのか?」という点にあります。今回の私への対応を見ても感じるのですが、還暦近い男性なら当然持つべき包容力や自己犠牲精神、正義感、誠実さ、弱者への思いやり、強さといった父性が欠如している。 

 

最初の交際相手の著書を20年ぶりに読んで思ったこと

私は森岡さんと1996年頃に別れて以来、彼の本は全然読んでないです。健忘症のように、ころっと忘れていました。それぐらい彼との交際は過酷でした。『草食系男子の恋愛学』が流行った頃は、平積みされている書店の本棚自体を避けていました。それぐらい忌避していました。
今回頼みに行くのも嫌でした。先に週刊誌等、別のつてをすべてたどって、知っているコネは全部当たって、万策尽きてから、しかたなく森岡さんのところに頼みに行きました。やっぱり行かなければよかったと後悔しています。
 

今回、森岡さんの著書を約20年分、ざっと読みました。

処女作の『脳死の人』は未読ですが、『意識通信』『対話 生命・科学・未来』『男は世界を救えるか』『生命学に何ができるか』『無痛文明論』『草食系男子の恋愛学』『感じない男』『救いとは何か』はざっと目を通しました。

この人の著作は病跡学の対象になると思うんですが、なんというか、病的です。

病跡学 - Wikipedia

  1. 人から言行不一致が指摘されている。
  2. 同じようなトラブルを何度も繰り返しているようであり、問題行動が改まらない
  3. 痴情沙汰のエピソードが多い
  4. 弱者(脳死者、障害者、フェミニズム)に理想論を押しつける言説が多い
  5. 自己中心性

1995年に付き合ったときは、オウム真理教事件をきっかけに交際したので、宗教系の人かと私は思っていたんです(今考えると、大ボケですけど……)。しかしそうではなく、この人はかなりのダメンズです。男として問題があるだけでなく、職業人としても仕事の組み立て自体に相当問題がある。

普通の男性でしたら、プライベートと仕事は分けます。例えば職業は会社勤めをして、プライベートと分けます。しかし彼はプライベートを仕事にしてしまった。森岡生命学とは、私小説みたいなものです。

 

例えば『生命学に何ができるか』(2001)で、女性の中絶に対する男性の責任について、あれこれ論述している(第5章「暴力としての中絶」と男たちを参照)。こういうものを読むと「おそらく、元カノか前の奥さんが中絶をしたという出来事があったんじゃないかな」と元カノである私は推測するわけです。

私の勝手な想像なのですが「その元カノさんが森岡さんに父性を感じず、『出産しても育てられない』と不安になり、中絶を選択した」というあたりが真相じゃないの、と推理するわけです。

 

こんな想像をするのは、私が2012年に関わった、藤沢さんらしき男性が同じような失敗談を話していたからです。藤沢さんが仕事(トレーダー)に熱中しすぎ、あまりに家庭を顧みなかったので、元カノさんが藤沢さんに見切りをつけて、マイホームパパ的な男性に乗り換えたという出来事があったそうです。

 

私の母も似たようなことを言っていて「お父さんは家庭を顧みなかった」と言っていました。中絶したいと言ったこともあったと話していました。

 

となると、問題の核心は「女性の中絶に対する男性一般の責任」ではなく(まあ、それについて哲学すること自体は有意義なことだと思いますが)、森岡正博はなぜ健全な父性を獲得できなかったのか」という点にあるのではないでしょうか? 相手の女性が森岡さんと安定的なパートナー関係にあり、森岡さんが、いずれ生まれてくる子どもに対し豊かな愛情を注げるようなお人柄だったら、お相手の女性は安心して子どもを出産したはずです。

子どもの父親が森岡さんじゃなくて、もっと健全な男性だったら、彼女は出産したんじゃないの?

別の観点から著作内容を吟味する必要があるのではないか?

となると、必要なのは「男性のセクシュアリティの解明」ではなく「ある種のタイプの男性が、健全な父性を獲得できない原因の解明」ではないのだろうか? 私たちは発想の根本的な転換(養老孟司先生流に言えば「論理操作」)が必要なのではないか、と思うわけです。

 

私の周りの男性を見ても、フツーに結婚して、子どもを作って、健全な父性愛を子どもに注いでいる男性はたくさんいます。多くの男性が父性を獲得できているのに、ある種の男性は父性を獲得できない。

私の父がそのタイプで、実年齢の割に精神的成熟を遂げるのが非常に遅い人でした。「自分はカッコいいし、いつも正しい」と思っていて、何か問題が起きたら、それは周りの人の人格に問題があると考えたがる(他責的)なんです。

森岡さんと同じで、自己愛(ナルシシズム)が強い人でした。

自己愛性パーソナリティ障害 - Wikipedia

健全な懐疑精神を持っていれば「自分のやっていることは正しいのか?」と常に自問自答します。相手に迷惑をかけないように最善の行動を尽くそう、主体的に問題解決に挑もう、失敗からは学んでいこう、できるだけ人生を良くしようと務めるはずです。

しかし彼らのようなタイプの人はその発想がなく、自分で不正の原因を作っておきながら、そのひずみを周りに押しつける傾向がある。トラブルを自分で主体的に解決しないと、こじれるだけなんです。父性というのはたくさん苦労をしないと育ちませんから、面倒ごとを周囲に押しつけてばかりいたら、いつまでも父性は育たないのです。

 

父性とモラルハラスメント

これはモラルハラスメントと関連があります。父親というのは家庭の中で起きるもめ事を裁く立場にあります。例えば長男と次男がおもちゃを取り合った、どちらが悪いかなんていう兄弟げんかを日常的に裁く立場にあるわけです。

父親が健全な倫理観や客観性、秩序感覚を持ち合わせていないと、適切に裁くことができません。

例えばタレントの三船美佳さんが離婚したときに、裁判所に『モラルハラスメント』という本を資料として提出したというエピソードがありました。

モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない

モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない

 

結婚生活の詳細は存じ上げませんが、相当のことがあったんじゃないかなと推測します。三船さんは16歳でご結婚されており、相手の方はかなり年の離れた方です。

私は17歳で森岡さんとネットナンパされました。これぐらい若いと、相手の性格を看破しようがないのです、まだ異性経験が少なすぎて。今から思えば「不倫する倫理学者」という時点でうさんくさいなあ……とは思っていたのですが(倫理学=モラル)。

家庭内のもめ事を裁く立場であるお父さん自身が問題行動を取っていれば、示しがつきません。社会問題について倫理的な判断を示す倫理学者自身が不倫していたら、説得力がありません。いつも正しいことをしている人が裁くから、怒られたほうも「悪かったかな」と思うわけで、本人が裏で悪いことをしていたら、誰も聞く耳を持ちません。

『感じない男』もタイトルからしてまちがっていると思うのです。『男が不感症』なのではなく、『森岡正博が責任を感じない男』なのではないか。

  1. 妻子に対する責任を感じることができれば、そもそも不倫をしません。
  2. 当時未成年だった元愛人に責任を感じることができれば、ロリコン趣味を公言する恥ずかしい本なんか最初から書きません。『男に世界が救えるか』の時も傷つきました。なんであんなに上から目線で言われなくてはいけないのかと思った。
  3. ビジネスパートナーである出版社に対して責任を感じることができれば、最初から事実に即した内容の原稿を入稿します。
  4. 周囲の同僚・友達に責任を感じることができれば、自分のプライベートの痴情沙汰は自分で主体的に円満解決しようと努力します。
  5. お金を払って読んでくれた読者に言論責任を感じることができれば、誤りを指摘されれば、自発的に説明責任を果たそうとします。
  6. 学問に対して責任を感じることができれば、正確性の高い研究に精励します。『感じない男』は小保方さんと同じ捏造。涜職・背任行為です。
  7. 他の納税者に対する責任を感じることができれば、警察や裁判所など公的な司法機関を頼らずに、任意の話し合いでトラブルを建設的な方向に解決しようと発想します。
  8. 国に責任を感じることができれば、そもそも国家公務員なのに勤務時間中に婚外恋愛をしたり、私用電話をかけないです。

健全な社会人であれば取るだろう、望ましい行動をどうして取ることができないんだろう……と思います。

モラルハラスメントという問題は、夫婦間・家庭内で発生するというだけでなく、職場の問題でもあるわけです。フランスではモラルハラスメントを規制する法律があるそうなんですが、それは職場でのモラルハラスメントについて行われているらしいです。

モラル・ハラスメント:職場におけるみえない暴力 (文庫クセジュ)

モラル・ハラスメント:職場におけるみえない暴力 (文庫クセジュ)

 

このような問題が、家庭で発生すればDVや児童虐待につながり、国民活力を削ぐ原因になります。職場で発生すれば、労働問題や国民総生産向上の阻害要因になります。モラルハラスメントの取締りを考えることは有意義なことだと思います。

このような側面からも「父性獲得を阻害する要因」について考えたほうが社会の役に立つのではないか? 私の実父や森岡さんや藤沢さんのような、ナルシシズムの強いタイプの男性たちは、なぜ健全な父性を獲得できないのかという問いを立てたほうがいい。

そのタイプの男性たちは家庭に向きませんから、私たち女性たちは、婚活現場で出逢っても「結婚対象から除外する、交際しない」という防衛策がとれるわけです。