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行動で愛を証明しよう

藤沢数希「恋愛工学」問題特設ブログ。性暴力・デートDV反対!主に書物の中の性差別表現について考えています。

鶉まどかさんの本を読んで

ジェンダー批評 草食系男子 森岡正博 藤沢数希 表現規制 有害図書 出版倫理

発売当初から話題になっていた本です。2年越しでようやく読みました。知り合いから「ツナミさんに似た人だよ」と聴いていたので、自分との共通点を考えながら読みました。

 鶉まどかさんは、ある男性文化人(宮台真司と噂されている)からナンパされて、断った経験を本書で告白しています。本書出版当時、彼女はわずか25歳なんですけど、しっかり考えている方で、正直圧倒されました。とにかく雄弁で、筆力がある。時代を描いてやろうという主体性が明確にある。処女作とはとても思えない完成度の高さです。

鶉さんはこの男性文化人のことを「先生」(男性文化人)と呼んで、名前を伏せています。しかし映画好きでトークイベントをやるという点、過去の恋愛遍歴が華々しいこと、大学で人に見つからずにセックスしたというエピソードから、私たち読み手側は、おそらく宮台真司だろうと推測して本を読むわけです。書き手と読み手との間の暗黙の了解です。

彼女のケースですが、鶉さんはもともと「先生」のファンで、高校生ぐらいのときから本を読んでいたようです。24歳のときに「先生」のトークイベントに参加して、そこで面識を得たとあります。

彼女のケースでは、「先生」のほうからグイグイ来ています。知り合ってすぐにLINEの未読が20件送られてきたなどとあり、猛アタックそのものです。。

さて、鶉さんは冷静な方で、このように分析しています。

バブル世代を経験して、地位も名誉も金も女も獲得した「50~60代のオッさん」たちにとって、単に若くて可愛い女の子と遊ぶことなど手慣れたものだ。抱いた女の数はいつまでたっても彼らにとってステータスに過ぎない。 実際、わたしを口説いた先生には、他にも全国各地、何人もの愛人がいた。過去の恋愛遍歴も華々しいことで、大学で人に見つからないようにセックスしたとか、なんだか自分とはかけ離れた世界のことのようにわたしには思えていた。

若い女の肉体を手に入れた彼らが次にほしいものは「精神」だ。ちょっとお金が稼げるバイト感覚ではなくて、自分を心から愛してくれて、夢中になってくれる女の子が欲しい。となると、たとえばわたしのように、家庭環境や恋愛がうまくいっていない女の子に甘い言葉をかけるのが、手っ取り早い。「僕がきみのすべてを受け入れてあげるよ」という言葉は麻薬のようにじわじわと効き目を発揮する。やがて自分に依存してくれれば、肉体も精神も自分だけのものになる。

私は正直、圧倒されました。私は彼女より年上ですが、ここまで考えていませんでした。鶉さんがここまで冷静に相手男性を分析できているというのは、もちろん彼女自身の才覚だと思うんですけど、相手が宮台という、わかりやすいタレント文化人だったからだと思います。援助交際ブルセラ、テレクラナンパで有名で、女性目線からすると、あからさまに警戒すべき男性です。

私も、相手が宮台さんだったら、明らかに問題のある人だと事前に察知できて、回避行動を取ると思います。ナンパされたとしてもついていかないです。鶉さんの側にも「芸能人とグルーピーみたい」という警戒や自戒があったと思います。

私のときはそうではなかったです。私が1995年に森岡さんと知り合ったときは、彼はサイエンス系の堅い仕事が多かった。後で出会ったときの状況について別のエントリーで詳しく書きますけども、脳死臓器移植関係の仕事と『意識通信』の印象が強かった。理系のイメージでした(森岡さんはもともと理系で東大に入って、文転した人)。

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いまはご存知の通り男フェミです……。

2012年の藤沢さんとのときも、当時の藤沢数希は経済クラスタでした。「エリートビジネスマンでプレイボーイ」という立ち位置です。でも、こういうマクロ経済入門の本も書いています。真面目です。

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私が彼(らしき人)と知り合った頃はこの本を書いていました。この本で著者は「これからヘッジファンドを作る」と野心満々に宣言しています。この頃が最盛期だと思います。

外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

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いまは完全に色物ライターです……。

我ながら男を見る目がないことに呆れます。

宮台×鶉まどかさん、岡田斗司夫×愛人たち、森岡さん・藤沢さん×私の事例について、図にまとめました。

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共通するのは、全部DV的な関係だということです。ひとつとして、結婚に至るような互恵的な男女関係はありません。みんな破滅的な男女関係であるというのが特徴です。すなわち、恋愛で大切なのはDV的な関係に陥らない相手を見つけることだよ、ということです。

宮台や岡田斗司夫が、若い愛人に対して使う労力(鶉さんはカロリーという表現を使っています)は相当のものだと思います。

あと鶉さんの本で指摘しておくべき点は、この「先生」(宮台と脳内変換するわけですが)が原稿の下読みを若い子たちにさせているらしいこと(私は森岡さんの下読みを一度やったことがあります)と、宮台・岡田斗司夫のほうは「家庭環境が不遇な少女に声をかけるべき」とマーケティングしてナンパ行為をしているという点です。この図の左上の層が、右下の層に押し寄せて来ているんです。

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鶉さんはサークルクラッシャーであるとカミングアウトしているので、交際相手となるオタク(草食系男子)のダメンズエピソードがたくさん出てきます。 私はサークルクラッシャーではないので、彼女ほどオタク男子に特化して交際してきたわけではないですが、私の経験でも、同世代で結婚に向く男性の絶対数がまず少ないという印象です。

とにかく、草食系男子が多いです。男の子が大人になれない時代である。美少女アニメなど二次元創作物に心理的に強くスポイルされてしまっています。

男の子向けコンテンツは、産業としての在り方について、きちんと有識者会議を行って、規制と適正な振興について考えたほうがいいと思います。 とにかく市場原理に放任しないということが大事です。

現在青少年健全育成条例有害図書制度はほぼ機能していない状態です。藤沢数希「恋愛工学3コンテンツを例にしても、右下の黄色いところしか、有害図書制度で取り締まれません。

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「そもそもなぜ有害図書制度があるのか、諸外国で行われているペアレンタルコントロールとはいかなる根拠で行われているものなのか」という原点に立ち帰って、現在のIT時代において、どのように実効性のある法的枠組みを作っていけばいいのかということを真剣に考えるべきだと思います。

あと鶉さんの本を読んで刮目したのは、芯が強い女性だということです。価値判断の軸がものすごくはっきりしています。「これは自分に非がある、これは相手に非がある」という分析がよくできています。ほとんど直観でやっていると思うんです。読んでいて、読者としては、著者の価値観がはっきりしているので、安心して読み進められます。私は名著だと思います。

本書の出版当初、男性オタクから「こっちに責任を投げてくるな」というリアクションがあったという有名な話がありましたけど、いえそうではなく、やはり鶉さんが指摘する通り、同世代の男性が自律しない、成熟しないというほうに問題がある。 

さて、鶉さんの本の件で、笑ってしまったのは、アマゾンのレビューにおそらく男性読者だと思うんですが「まず岡田斗司夫関係ない。本を売りたいがために他人の名前を拝借するのは男らしくない」というレビューがあって、苦笑しました。鶉さんは女性でしょう(笑)。女性の書き手である鶉さんの本を読んで「男らしくない」という感想が出てくること自体、自分で言っていておかしいと思わないのかなと思いました。

また、お母さんの過干渉エピソードは強烈でした。これだけ過干渉を受けてきて、たった25歳でよく客観的に眺められるようになったなあと思います。 普通はここまで苛烈に立ち入られてしまうと、なかなか客観的には見られないと思います。自然災害等でトラウマを受けるのではなく、母子関係でトラウマを負っている。あの時代にたくさんいたコントロール・マザーというのは共通の災いだったんだという印象を受けました。

私の場合は、母という災いと、父という災いとダブルで喰らいました。さらに森岡正博という災いと藤沢数希という災いの被害も受けており、災いのわんこそば状態です。ようやく生きてきています。もうおかわりいらないです。

私の世代は男女共同参画推進法第一世代ですが、とにかくブラック労働問題がキツい。女性フェミニズム研究者や筑摩書房の女性編集者のような、正社員雇用でずっとやってきた、女女格差の上の層の女性には分からないだろうという絶望感があります。下層女性がめちゃめちゃ生きる力を求められているのに、母親世代や上層女性の仕事のやり残しがこっちに回ってくる。

鶉さんは大卒で、企業広報の仕事をされているので、上層女性です(ご実家が機能不全家庭なので下層かもしれないです)。

私は下層女性です。ご覧の通り、ブログの文章もグダグダで頭が悪いです。偶然、人生の中で、森岡さん・藤沢さん(らしき人)という、ジェンダーを考える上でキーパーソン2人と関りがあったので、「歴史の証人かもしれない」と思って、必死に役目を果たそうとしています。

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